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天使か悪魔か

リアルババアあしゅのいらん事言いブログです。 昔の記事は http://maho.lomo.jp/nashural/ に。

殿のご自慢 58

翌朝、いや、まだ暗い中
ふいに高雄は目を覚ました。
嫌な予感がする・・・。
 
城下に馬を走らせると
こっそりと来たつもりだったが
安宅が後ろから付いて来るのが見えた。
 
 
敷島の館の前に、白いものが落ちていた。
近付くと、それは青葉であった。
寝乱れたままの格好で、泣きぬれている。
そのあまりの嘆きように
使用人たちは近寄れない。
 
羽織を持って来た如月が高雄に気付く。
「ち、千早さま!」
「伊吹は?」
 
如月は少し目を泳がせた。
「先ほど・・・。」
「馬でか?」
「はい。」
 
高雄は青葉を抱え上げ、自分の前に乗せた。
「まだ間に合うやも知れぬ。
 来い。」
 
 
細かい雪が自分に向かって
緩い曲線を描いては通り過ぎる。
まるで自分は止まっていて
周りが流れているかのような
雪降る中の疾走。
 
全身を薄く切られていくような寒さでも
薄っすらと白く積もった雪が
先馬の足跡を導いてくれるのでありがたい。
 
 
「伊吹!」
高雄の叫びに、前に見えた馬が止まった。
 
無言で振り返った伊吹に
青葉が馬を飛び降り、駆け寄る。
「何故、連れて行ってくださらないのです?
 わたくしが足手まといなのであれば
 殺してください!」
 
ワアワアと泣く青葉とは対照的に
馬に乗ったまま、見下ろす伊吹は
静かな表情であった。
 
「青葉、そなたほど
 俺の心を奪った者はおらぬ。
 俺ほどそなたを愛する者もおらぬ。
 だから俺たちは
 一緒に生きも死にも出来ぬのだ。」
 
最後に高雄を見た。
「高雄、後を頼む。
 そして、俺とのいくさは
 おまえに来てもらいたい。」
 
 
再び青葉を見下ろす。
「馬を走らせるゆえ、離れよ。」
 
今までは愛が見えていた伊吹の瞳の奥に
硬く冷たい意思を感じ
青葉の涙は止まった。
 
この手を離せば
伊吹さまは行っておしまいになる。
わかっていたが、ゆっくりと手を離す。
手が、唇が、ガクガクと震える。
伊吹は最後まで青葉の目を見据えていた。
 
 
伊吹が去った後、放心して座り込む青葉を
高雄が抱えて、馬に乗せる。
まるで死んでいるかのように
青葉の体は重い。
自分で支えている部分が一箇所もない。
 
私が正気でいられるのは
姫がここまで打ちのめされているからだ。
高雄はそれだけは青葉に感謝をした。
 
高雄の理屈では
元はと言えば青葉のせいなのだが
ここまでするのは、伊吹が弱いせいだ。
たかが女のせいで
すべてを裏切って去って行った。
高雄は自分を保つために
伊吹を憎む思考をした。
 
 
「安宅!」
「はっ」
安宅が高雄の馬の足元に膝を付く。
 
「私は姫を千早城まで連れて行った後に
 龍田家に向かい
 “手はず” を整えてくる。
 おまえは敷島の館に行き、後始末をしろ。
 千早家に来たい者は来させるがよい。
 他の職を望む者は、その世話をしてやれ。
 八島の殿への釈明は、今日中にしろ。」
 
「かしこまりました。」
安宅は馬をとって返した。
 
高雄は千早の城の方へと馬を走らせた。
 
 
 続く 
 
 
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

浴用石鹸

顔はもう石鹸で洗わなくなった私だけど
本来は石鹸好きなので
入浴は絶対に石鹸派なのである。
 
泡立ち泡切れ良く、匂いも気にならず
乾燥しない石鹸
そういうのが理想なんだけど、これプラス
“1個100円以下” という
過酷な条件を付けちゃったもんで
石鹸探しの旅が続く続く。
 
 bihadasekken.jpg gyuunyuusekken.jpg

lamande.jpg soap2.jpg
soapu1.jpg

 
 
それでもしばらくは
このブログのコメント欄で教えてもらった
柿渋石鹸のパチもん (安かったんだ) を
使い続けていたんだ。
写真撮り忘れは、カリスマブロガーとしては
ありえん事で
ほんとすいませんほんとすいません。
 
でも石鹸って、同じのをズーッと使うと
ものすごく飽きるよな。
富豪なら、金額を気にせずに
あれこれ試したいんだけど
貧困だもんで、放浪するにも
限りがあってなあ・・・。
 
 
そうこう道に迷っている時に見つけたのが、この2つの石鹸。
 
 purenaturalsoap.jpg puresoap.jpg

 
 
この2つ、同じようなもんに見えん?
だけど会社が違うんだよ。
 
右が、大阪市東成区の
株式会社クローバーコーポレーション
125gの3個パック
ごめん、値段忘れた。
こっちには、もう1種類
似たような石鹸があった。
 
左は、大阪府八尾市の日本石鹸株式会社
135gの3個パック 260円
 
全成分: 石ケン素地、エチドロン酸、水
と、どっちも一緒。
 
使い心地もほんと一緒なんで
どっちかの会社がOEM
(他社から依頼を受けた製品を
 自社工場で生産する事業) で
片方に卸してるんかのお?
 
そうなると、値段が安い方が
OEMってわかるんだけど
片方の値段を忘れて
もう肝心な事がわからんという
何ちゅう使えんレポじゃあ!!!!!
 
 
ごめん、最近、不幸なんだ。
で、この石鹸、袋を開けると
個別包装もなしに
長方形の白いデカい石鹸が
3個並んでいるんだけど
えっ、それも写真?
・・・チッ・・・撮ってくるよ。
 
puresoapnaka1.jpg puresoapnaka2.jpg

 
な? デカい上にブ厚いだろ?
どっちも、こういう無骨な感じ。
 
で、この素っ気ない石鹸が
実に良い仕事をしよるんだ。
私は敏感肌用の綿のボディタオルで
体を洗っているんだけど
これが泡立ちが悪くてな。
 
でもこのタオルでも
硬くモッコリした泡が立って
その泡が長持ちして
しかもタオルのすすぎも早い。
 
匂いはたまに、純石鹸にありがちな
酸化した油臭が
かすかにする事もあるけど
おおむね無臭・・・じゃないな。
無香料と書いてあるけど
普通の石鹸の匂いが軽くする。
 
 
ほんと、毎日使う美容系アイテムって
飽きる事が多いけど
この石鹸なら、アロマオイルや着色をした、
私得意の手抜きの
“何ちゃって手作り” の
石鹸の素材にもなってくれそうだから
長い事使えそうだ。
 
 
何か、ひとつのものを使うにも
お気に入りがない場合
延々とアイテム探しの旅に出る事が多くて
特にこの浴用石鹸には
この記事以来苦労させられたんだけど
 
参考記事: 危険なバラの香り 10.5.28
 
この理由で、ずっと愛用していた
牛乳石鹸の赤箱が使えなくなっちゃって
青箱は乾燥するし
ほんと今回は長い旅だったよ・・・。
 
 
 
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肝心の石鹸は見つからなんだ。
でも、この石鹸も気になってるんだ。

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殿のご自慢 57

勝力とのいくさは
青葉にとって楽なものだった。
勝力は青葉のすぐ左に位置し
何かと声を掛け笑ってくれる。
その陣形は
青葉を護るためだけの型であった。
 
双翼の陣などを敷いた敷島どのは阿呆だ。
離れて孤独に戦わせるのは
姫さまに余分な負担を掛けるだけ。
 
姫さまは大した腕でもないのだから
そのお心さえ護れば
兵たちは、そのお姿によって鼓舞する。
そうすれば余程の強敵でもない限り
勝てるというのに。
 
 
そつのない言動の表向きとは違い
勝力は、少しでも劣るとみたら
容赦なく見下す性格であった。
それは心酔している青葉相手でも
例外ではない。
 
俺が惚れているのは姫さまの顔だからな。
たったそれだけ、と言われようが
そのために命を懸けられるなら
本物であろう。
 
勝力に迷いはない。
 
 
“青葉の軍” は、連勝を続けた。
それも、かなりの快勝であった。
 
この報告に八島の殿が小躍りしている
との噂は、伊吹にも
そして東に赴いている高雄の耳にも入った。
 
勝力の事だから
上手くやるとは思ってはいたが
上手くやり過ぎだ。
あの青馬鹿姫も
伊吹の事も考えて動けば良いものを・・・。
 
 
高雄の懸念が当たった。
いくさの季節も終わり雪がちらつく中
ようやく伊吹が帰ってきた。
 
竹林に呼び出された高雄は
耳を疑う告白をされる。
伊吹は、八島を出て吾妻の方に行く
と言うのだ。
 
 
八島の殿が、伊吹を殺して
青葉を手に入れようとしている
という伊吹の話は
到底信じられるものではなかった。
 
吾妻の領地では、まことしやかに
そのような噂が流れているという。
「噂は噂だろう。」
「だが、俺もそう思うのだ。」
 
確かに八島の殿は
そういう無体をしないとはいえぬ人柄。
しかも伊吹と青葉を引き離してもいる。
 
しかし、そんな回りくどい事なぞ・・・
そのような高雄の考えは、伊吹にとって
すべて意味のないものであった。
 
「取られるぐらいなら・・・。」
言いかけてやめた伊吹の瞳は
かつての伊吹とはまるで違っていた。
疲弊して、活力のない眼差し。
この数ヶ月間の青葉との別離が
伊吹の心にどのような影を
おとしたというのか。
 
 
高雄には状況がよくわからなかったが
最初に相まみえたあの時に
青葉を殺しておくべきだった、と
心底から後悔をした。
あの女のせいで
伊吹はここまで狂ってしまった。
 
いや、今からでも遅くはない!
青葉を殺そうと決意しかけたその瞬間
伊吹が思いがけない頼みをしてきた。
 
 
「青葉の面倒をおまえに頼みたい。」
「おいていくのか?」
「・・・俺には無理だった・・・。」
伊吹は、宙をうつろに見つめた。
 
しばらくの沈黙ののち
口の端で笑いながらつぶやく。
「だが、おまえなら誰もが認める。
 青葉を守る事も可能であろう。」
 
この言葉は、高雄の逆鱗に触れた。
「家柄か?」
 
「それもある、が一番は
 おまえが青葉を嫌いだからだ。」
 
伊吹は、険しい表情になった高雄の肩を
両手で掴んで、必死に叫んだ。
 
「俺がおかしいのはわかっている。
 何よりも大事な青葉を手離そうと。
 青葉には無事でいてもらいたいが
 俺以外と幸せになってほしくはないなど。
 だが、頼む!
 俺の最後の頼みだ・・・・・・。」
 
 
自分にすがりついて肩を震わせる友に
高雄は観念した。
 
「・・・おまえがそれを望むのなら
 私は全力を尽くそう。
 だが龍田家の姫をないがしろには出来ぬ。
 正妻にして、・・・・・子を・・・
 跡継ぎを作らねばならぬ。」
 
これは伊吹にとって、最も辛い事のはず。
だが、伊吹は即答した。
「愛さなければ、よい。」
 
 
伊吹が去った後
高雄は竹に背を預けて泣いた。
とめどなく流れ出す涙を拭おうともせずに
ただ泣いた。
 
 
 続く 
 
 
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。
昨年はお世話になりました。
今年もよろしくお願いいたします。
 
 
今年の正月休みは
実に理想的なカレンダーの形で
土曜が休みの人は
ほぼ9連休という長さだったよね。
 
私もたんまりダラけたせいで
さぼりグセが取れない取れない。
ああーーー、日常に戻りたくないーーー!
 
 
とも言ってられないので
今年の抱負でも考えてみた。
 
去年が “無理をする” で
ブログ毎日更新を
とうとう挫折しちゃったんで
今年の目標はズバリ “自然体”。
 
 
私は自然体で生きてるように
思われがちなんだけど
自分ではものすごく世間様に気を遣って
合わせて合わせてやってるつもりなんだ。
 
それを今年はちょっと
伸び伸びしてみようかな、と
珍しくラクな目標にしてみた。
 
いや、いっつもいっつも
格好付けて無理めな事を言って
結局は達成できないので
今年はしょっぱなから
投げだしてるみたいな感じで
ユルくいってみようかな、と。
 
さすがにこの目標は楽勝だろう
と思われるかも知れんけど
小市民な私にとっては
これも実に難しい事だと思うぞ。
 
 
あっ、今年の正月は遠出をしてみたんだ。
すると、家近所の
ゴーストタウン風情とは打って変って
電車ギュウギュウ道混雑で
えらい目に遭うたよーーー。
 
閑散としているのは住宅地だけ
と思い知らされたよ。
正月早々、世間の荒波に揉まれた気分。
 
 
で、買って帰った和菓子。
 
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歳を取ると、ケーキより和菓子、という
伝説が身に沁みてるー。
 
 
 

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