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天使か悪魔か

リアルババアあしゅのいらん事言いブログです。 昔の記事は http://maho.lomo.jp/nashural/ に。

殿のご自慢 75

文字色吾妻家側とのいくさをしている高雄に
千早城からの使いが転がり込んできた。
 
家臣たちは、書を読んでいる高雄の背中に
冷気を感じた。
「どうなさいましたか?」
「何かあったのですか?」
 
高雄はしばらく、ひとことも発しなかった。
これは余程の事に違いない
誰もが、高雄の返事に恐怖の予感をする。
 
 
「大殿の使いの野間が軍を引き連れてきて
 門番を切り捨て
 青葉を連れ去って行ったそうだ。」
 
陣中がザワついた。
「まさか・・・。」
「八島の殿は何を考えているのだ!」
 
 
「騒ぐな。」
振り向いた高雄の表情も口調も
いつもと変わらなかった。
 
「しかし、二度も奥方さまを
 かどわかされるなど、千早家の恥!」
「今すぐに八島城へ
 救出に向かいましょう。」
兵たちも、いきり立っている。
 
しかし、高雄は冷静に言った。
「これは女の問題ではない。
 千早家を滅しようとする、八島の謀略だ。
 大いくさの準備に入らねばならぬゆえ
 早々にこのいくさを引き上げ
 千早城に帰る。」
 
 
八島家との開戦・・・
 
 
その場の全員が、それを覚悟した。
現に千早城では
その支度をしているという。
 
あの八島家に勝てるだろうか?
いや、勝つ勝たないの話ではないのだ。
八島家の企みにより
千早家は潰されようとしている。
これを避けて通れば、武士の名折れ。
 
 
「行くぞーっ!」
「おおおおおおおおおおおおおおおっ!」
 
兵たちが敵に向かって走り出すのを
飛び越えたのは
高雄の愛馬、白神 (しらかみ)。
首を獲られたら終わりの総大将が
先陣を切って敵中に突っ込む。
 
味方からは、その背しか見えないが
敵の脅えた表情から
高雄の怒りが伺い知れる。
 
高雄の純白の鎧も、白馬の白神も
みるみる赤く染まっていく。
 
あの根雪さまが怒りを爆発させている。
俺たちも!!!
千早の兵たちの士気が、俄然上がった。
 
 
「青葉姫さまのお加減は
 いかがでしょうか?」
勝力が侍女に声をかける。
 
「勝力さまがいらしたら
 三原さまと一緒にお通ししろと
 言いつかっております。」
勝力と三原は、青葉の寝所に通された。
 
これは本来、あってはならぬ事。
恐縮しきりの三原に
勝力が小声で耳打ちする。
「心配いらぬ。
 青葉姫さまは気取らぬお方。
 普通に接してくださるであろう。」
 
 
青葉は、うつぶせに寝せられていた。
背中の傷のせいで、仰向けになれないのだ。
 
「そなたたちが助けてくれたそうですね。
 三原さまと勝力、心から礼を言います。」
三原が慌てる。
「勝力どのより下の拙者も
 姫さまの従者も同然。
 どうか “三原” と
 お呼びくださいませ。」
 
「そうなのですか? 勝力。」
“いつもの青葉姫” に勝力は安堵した。
「はい、どうかそのように。
 して、傷はどのような具合でしょう?」
 
「大したものではありませぬ。」
 痛みも顔の時に比べれば
 何と言う事もございませぬ。」
そう言いながらも、額に汗がにじんでいる。
 
 
「高雄どのが吾妻側とのいくさを切り上げ
 千早城へとお戻りになられたそうです。
 千早家は八島家と戦いますので
 これからそれがしも
 千早家と合流いたします。」
 
「青葉姫さまは
 この三原の城にお隠れください。
 拙者が関係している事は
 誰にも知られておりませぬ。
 今まで、姫さまにお近付きにも
 なれなかった新興大名ゆえ
 行き届かない事も多々ございましょうが
 何なりとお申し付けくださいませ。」
 
 
「では、そなたたちにひとつずつ
 お願いがあります。」
「ははっ。」
ふたりは謹んで頭を下げた。
 
「三原、早馬を出して
 千早城の如月と言う侍女に
 この書状を至急、届けてください。」
三原は受け取った書状を手に
急ぎ部屋を出て行った。
 
 
「勝力、千早には行かないでください。
 わたくしには、そなたが必要です。」
 
勝力の心臓がドクンと揺れた。
 
 
 続く 
 
 
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肌の透明感

もっかの肌の悩みは、顔の赤黒さである。
日焼け止めどころか、ファンデや粉ですら
白浮きして、合う色味と言えば
日焼け肌用ぐらいしかない。
それぐらい赤黒いのである。

ところが、コスメカウンターでは
えらい白いのを勧められる。
黒いのにしたいと言っても反対される。
勧められた色味を塗ったら
絶対に白浮きするというのに。

首の色に合わせているんだろうか?
塗りたては良いかも知れんが
メイク崩れした時に
悲惨な事にならんか?
メイクというのは、そこまで
白々しいカバーをせにゃならんのか?


知人からは色白だと言われる。
色白じゃないよ、と返したら
「どんだけ白いと良いんですか。」
と言われた事もある。

何でだろう?
自分の見ている色と、人の見ている色は
違うのだろうか???
それは光とか距離とかに
影響されるのか?

それとも首から下は白いんで
全体的なイメージで言ってるんだろうか?


あまりに悩んでしまい、とうとう
ファンデを塗らなくなってしまった。
どうすれば良いのか
わからなくなったからである。

でも今は日焼け止めと、粉だけだけど
それでも白浮きがひどい・・・。


赤黒いのは顔だけで
首から下は、全身白いんだよ。
もう、色の悪いマッチ棒のようで
ものすごく悲しい・・・。

風呂に入るたびに
顔と体のあまりの色の差に
考え込んでしまうんだ。


そう言えば、かづきれいこという
メイクアップアーティストが
顔が赤黒いのは病気のせいで
そのカバーには黄色が良い、と言っていて
病気かどうかはわからんけど
黄色を試した事もあった。

かなり厚塗りをしないと
カバーできない上に
ほんのり黄色くなって、何だかおかしい。

厚塗り、私のメンズライクファッションとは
ちぐはぐなんだよ。


この悩みで20年
脳内は混乱していたけど
先日益々混乱させられる事があった。

美容院のおねえさんに
「顔色が良いですね。」 と言われたのだ。

そのおねえさんは、割に
はっきりものを言う人なので
そこが信頼できるんだ。

その日も日焼け止めオンリーだったので
「え? 良いですか?」
と、思わず聞き直してしまった。

するとおねえさん
「透明感があって良いですよ。」 と言う。

透明感・・・?


その日も湯船に浸かって、くよくよと悩む。
体はこんなに白いのに、顔は・・・。

と、ふと胸のあたりは
少し黄みがかっている事に気付く。
何だっけ、この色
どっかで見た事がある。

手足胸腹、それぞれに色が違うのも
その時に、ようやく気付く。
くよくよし過ぎて、目が曇ってたよ。

その時に、おねえさんに言われた
“透明感” が頭をよぎった。

脂肪の色が透けてんじゃねえかい!


風呂場で水に浮く力を発見して
ユリイカと叫んだのは誰だったっけ。
いや、全開じゃないけど
疑問の端っこが少しほどけた感じ。

肉が薄いところの肌は赤く
脂肪がついてるところは
乳白色に見えるんだ。

顔、特に皮膚が薄くて、下の肉の色が
透けて見えて赤黒いんだよ。
いやあ、病気かとも悩んでいたよー。
皮膚が薄かったんだな。

手の平とか、もろ霜降り模様だしな
脂肪が付いてるところの肌は
白くて良い感じ。

なるほどー、そうかーーー

と納得したのは良いけど
赤黒さは変わってないわけで
今後どうしたら良いかは
解決策が見えてない。

ただ、“肌が白い” と “透明感” に
密接な関係があるのなら
私の白い呼ばわりも
不思議ではない、・・・かな?
赤黒いんだけどなあ。


ここでカバーのために
ファンデを厚塗りしていたら
クレンジングやら洗顔やらで
益々皮膚が薄くなるだろうから
ファンデの厚塗りはしない。

厳しい美容院のおねえさんに
顔色が良いと言われたので
ノーファンデでいきたい。
ファンデ、塗らない事になれたら
塗るの面倒くせえし。

私の顔の赤黒さは
“皮膚が薄い” が答。

同じような人は多いと思うんで
参考までにと書いたけど
何ひとつ解決はしてないんだよなあ。



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この下地、発売当時・・・
20年ぐらい前だっけ?
その時から今も変わらず評判が良い、
“定番商品” ってやつ。
こういうのが一番信用できるんだよな。



殿のご自慢 74

お藤とその息子は
町の外れの廃屋に待たせてある。
 
青葉を助け出した後は、三原城へ隠す。
三原はちょうど、ひといくさ終わり
休養を取っていたところであるから
いなくても不自然さがない。
 
高雄どのに使いが届くのは
数日後であろう。
我々は高雄さまが兵を揃えるまで
逃げ延びねばならぬ。
その後、姫をお藤に任せ
我々は高雄どのと合流する。
 
これで高雄が兵を挙げなかったら・・・
この可能性は誰も考えなかった。
それは “武士” の態度ではない。
 
 
言われた場所に、福江の使いは待っていた。
「こちらでございます。」
 
ここまで来たら、言う通りにするしかない。
勝力と三原は、覚悟を決めた。
 
 
「ここが抜け道になっております。
 『茶を点てる』 と仰られていたので
 多分、こちらの方に姫さまは
 いらっしゃるかと・・・。」
 
三原は不審に思った。
「福江どのが何故この城に
 そんなにお詳しいのか?」
 
この問いに、勝力はハッと気付いた。
この城は元は福江城であった。
その優美さに、八島の殿が気に入って
“譲って” もらったのだ。
 
その経緯があるから
福江どのは城勤めを許されているのだ。
本来なら、代わりにいただいた遠くの領地で
隠居させられるような老人であるのに。
 
まあ、野心がないなら
大殿の側にいても意味がないから
完全なる閑職に追いやられているのが
今回の謀反には効を奏したな。
勝力は三原を制し、先を急いだ。
 
 
茶室の側の寝屋に、青葉は寝せられていた。
手は柱に縛り付けられ
猿ぐつわもそのままに。
 
「ひどい事をなさる・・・。
 さあ、すぐにお連れ申しましょう。」
 
三原が手を縛る紐を切り
猿ぐつわを外そうとした時に
勝力が小声で言った。
「待て、猿ぐつわは外さない方が良い!」
 
 
掛けてあった布団をはいだ時に
触れた青葉の肌がヌルッとしたからである。
明かりが漏れぬよう
布団を盾に蝋燭 (ろうそく) を
灯して見たら
背中がズタズタに裂かれていた。
 
「何て事をしやがる
 あの変態ジジイ・・・。」
怒りに手が震える勝力。
 
「今は広間で宴会中です。
 ここでの治療は無理です。
 布と塗り薬を調達して参ります。
 血だけ止めて
 一刻も早くお逃げください。」
勝力も三原も
福江の使いの言葉に依存はなかった。
 
 
「今宵は典医まで宴会に呼ばれており
 助かりました。」
使いが持ってきた布と薬を
ふたりとも受け取らない。
「何をなさっているのです
 早くお手当てを!」
 
「三原どの、そなたに頼む。」
「何をおっしゃいます、
 私は高貴な女人に触れられる
 身分ではございませぬ。
 ここでは、勝力どのが一番
 ふさわしいのですよ!」
 
確かにそうではある。
だが・・・、いや、
他の男に触れられるぐらいなら!
 
 
勝力は意を決して、背中の手当てを始めた。
三原と福江の使いはその間
灯り避けの布団を立てて背を向けていた。
 
背中に薬を塗る。
青葉が痛そうな表情になるが
目を覚まさない。
どうやら薬を飲まされているようである。
 
布を巻くには
青葉の裸体を抱えねばならない。
勝力は激しく葛藤したが、時間がない。
 
高雄どのの目を見られなくなるような事を
してはならぬ!
 
勝力は心の中で、御免! と叫び
布を巻き始めた。
先ほどとは違う感情で
手の震えが止まらなかった。
 
 
 続く 
 
 
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ブラ挫折

下着屋さんでフィッティングして買った
私の胸に合うらしきブラ、
関連記事: 巨乳ババア 12.7.25
2年間で2か月しかつけなかった・・・。
 
というのも、そのブラは
タレた胸を上げるもので
すんげえ苦しいんだ。
もう、肋骨が痛えっちゅうか。
 
そんで、乳がデカいのを気にしているんで
それをつけたら余計に胸が目立つのが嫌で
それも、マドンナの衣装のような
とんがった攻撃的な胸になるんだよ。
 
と、何やかんや理由づけをして
ブラキャミを着用していたんだ。
 
 
ところが、とことんタレた乳だと
ブラキャミをしばらくしてたら
乳肉がはみ出すんだ。

で、キャミのパッドが浮く。
薄い生地の服だと、それが透けて
見苦しい事この上ない。
 
 
こりゃ、アウターに響かない
苦しくないブラが欲しいな
と思ったんだけど
前のブラ買いの時にフィッテイングしてて
弱音を吐いたら、えらく怒られたんで
そういう店にそんな事を言って
買いに行く勇気はないわけだ。
 
そこで、別の店に行って
ブラをチェックしてみた。
 
“胸を小さく見せるブラ” ってのが
あるんだなあ。
それにしようかと思ったんだけど
和装用ブラみたいなんだよー。
そんでレースびっしり。
 
私はレースにカブレるんで
レースびっしりだと、ちゅうちょ。
ワイヤーも肋骨が痛いからー。
 
とか、店でももう既に脳内で言い訳の嵐。
店員さんが手が空いてないのを幸いと
さっさと出てきちゃったよ。
 
私が一番苦手なのは
下着屋さんかも知れない・・・。
 
 
でも、ブラキャミもきっちりブラも
つけたくない、としたら
やっぱり新しいブラが必要となる。
 
じゃあ、お試しで安いブラを買ってみよう
と、しまむらに行ったんだ。
 
 
しまむら、下着類も充実してるんだよな。
でも誤算だったのは、サイズがない事。
Fカップはあるものの、70がない。
 
そこで、75のDを試着してみたら
乳肉がはみでるんだ。
ああ・・・、私って本当に
乳がデカいんだな・・・
と、落ち込むヒマさえなかったさ。
 
しまむらの試着室は、ドアが外開きで
しかも磁石で閉じる方式で
上と下が大きく空いてるんだ。
万が一を考えると、気が急く気が急く。
 
 
結局、サイズがないために
デザインは選べず
しかも下着屋さんのおねえさんが怒りそうな
ゆったりサイズを買ってしまった。
 
多分私の胸にフィットしていないだろうけど
980円。
これが吉と出るか?
 
 
タレた乳を上げるには
ギューッと締め付けるのも
いたし方ない事なんだろうけど
レースととんがりはいらないと思うんだ。
 
きっとこの安いブラも、慌てて買ったんで
おかしな事になって
ちゃんとした緩いブラを
下着屋さんに買いに行って
店員さんに怒られそうな結末を
迎える気がする。
 
 
ちなみにな、安いブラ
色すら選べずの一点もので、黒なんだよ。
 
キャミブラも黒だったんで
まあいいか、と思ったんだけど
黒い下着は初めてなんで
その違和感に、嫌気がささないと
良いんだけど・・・。
 
で、着用してみたら
やっぱりワイヤーが痛え!
 
苦しい割に、ホールド力がないのか
時間とともに、乳肉が
あっちゃこっちゃから
はみ出てくる感覚があるんだけど
これは気のせいだろうか・・・?
 
 
さて、ここまで書いて気付いたんだが
私が苦しがってたブラって
店員さんの温情でワンサイズ太めの
75のEだったんだよー。
 
今回買ったのも、75のE・・・。
正式サイズの70のFを持ってる
と思い込んで
一回り大きめを、と75のEを買い
やっぱり何か苦しいーーー。
 
んで、ふと過去記事を読んでしまい
えっ??? と、タンスに走ったら
出てきたのは75のE。
 
・・・私、バカじゃねえの?
 
 
下着選び、苦手だーーー!
 
 
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1200円弱。
このブラはCカップまでしかないので
私の乳は収納できねえ。
だけどグンゼ、私にとってはものすごく
信頼のおけるブランドなんだ。
肌に優しそうな気がしてな。


殿のご自慢 73

「何っ? 姫が?」
 
勝力は八島城の近くの戦場にいた。
「それは誰からの情報だ?」
 
勝力の小姓、陽春 (ようしゅん) は
小声で答えた。
「福江どのからの言伝 (ことづて)です。
 手配をするので
 すぐにお助けになった方が良いと。」
 
 
勝力は思考をめぐらせた。
福江・・・、あの穏やかな御仁か。
 
多くの古い家柄の高齢の殿に漏れず
いくさにも出ず、事務仕事で
ただ城に詰めているだけの
目立たぬじいさんだが
大殿のやり方がさすがに目に余ったか。
 
中には大殿に媚びる者もいるが
福江どのは大殿との接触もないし
人格者だと聞く。
ならば信用できるか。
 
否、そういう問題ではない。
これが罠であったら
もう俺は的にされている。
それに姫の身が危ないという情報が
本当であった方が恐い。
 
 
選択の余地なし!
勝力は八島を裏切る腹を決めた。
 
「陽春、俺は行く。
 おまえはこのいくさに片が付いたら
 理由をつけて、俺の軍を
 俺の城へと戻せ。」
「はっ。」
 
 
勝力は馬を走らせながら思案した。
この分では、夕刻近くには八島城に着く。
姫は助ける。 必ず助ける。
だが、その後はどうすれば・・・。
 
今回の事は、八島家と千早家の
いくさを起こす。
俺はその間、姫を安全なところに
隠さねばならぬ。
 
この前は、大殿の “許し” を受けて
負傷した姫を城で手当てし
城下で休ませられた。
だから大殿は、まず城下を探すであろう。
 
あの時に手助けしてくれたお藤も
姫にとっては人質になるので
一緒に連れて逃げねばならぬ。
もし姫が今度も傷を負っていたら・・・。
 
 
八島城の近くになり
そろそろ馬を降りて隠そう
と思っていたところに
目の前に人影が現れた。
「勝力どのでいらっしゃいますか?」
 
その姿には見覚えがあった。
大殿が引き上げた新興大名の跡継ぎ
名は・・・
三原 (みはら) と言ったはず。
勝力は馬を降りるのを留まった。
 
「・・・三原どのか?」
「おお、お見知りくださって
 いただいていたとは。」
 
 
無駄話をしている時間はない。
あたりを伺うが、人の気配はない。
では、殺って突っ走るしかないか?
 
「で、ご用件は何かな?」
「警戒なさらないでいただきたい。
 私も福江どのに頼まれたのです。
 もし、勝力どのが
 間に合わなければ、と。」
 
「福江どのが、そなたに?」
「・・・確かに我が家は
 大殿に遇していただきました。
 だが父はいくさで死んだ。
 なのに、世は私が生まれた時と
 変わっておらぬ。
 福江どのに、そう言われた時に
 目が覚めました。
 ・・・大殿では駄目なのです・・・。」
 
 
“大殿では駄目”
 
勝力は、福江の考えがわかった気がした。
高雄さまに、・・・・・・いや
“青葉姫を妻にした千早さま” に
世を治めてほしいのだ。
 
勝力は問うた。
「では、誰なら良いと申されるのかな?」
三原はきっぱりと口にした。
 
「千早さまと青葉さまでございます。」
 
 
勝力は馬から降りた。
 
 
 続く 
 
 
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