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天使か悪魔か

リアルババアあしゅのいらん事言いブログです。 昔の記事は http://maho.lomo.jp/nashural/ に。

はたしてすべてが地に還れたか?

2002年の記事。


父の葬儀の時、私は元夫のインフルエンザが
うつってしまい、39℃以上の高熱が出ていた。
もう、立っているのもやっとで
葬儀中の事はよく覚えていない。
憎たらしいことに、元夫は
私にうつして復活しつつあった。

そういう状態なので、火葬場で誰が着火ボタンを押すかで
押し付けあっていた時も、出遅れてしまった。
私が駆け寄った時に兄がポチッとボタンを押してしまい
「ああ・・・」 と、がっかりした私の表情に
気付いた兄が慰めたつもりか
「おふくろの時は、おまえが押せ」 と
まさにTPOにコア直撃な無神経なことを言い
母が無言でイヤな顔をしてこっちを横目で見ていた。

ゴオオ・・・と燃え盛る扉のこちら側で
兄が私にまたいたらん話をし始めた。
「・・・お前、人が燃えるのを見た事があるか?
 俺はあるぞ」 
昔は小窓から燃えてる所を確認できたので
兄は、係の人に見せて貰った事があるそうだ。

「すごいんだぞー。 バッタンバッタン
 暴れてのたうちまわるんだぞー。
 それを見て、“まだ生きてる!” って遺族が騒ぐんで
 今はもう見せていないらしいんだ。
 ほら、肉を叩いて筋切りしないで焼くと
 肉がうねるだろう? あれと同じ理屈なんだよ。
 筋ってのはな、熱を加えると
 縮む性質を持ってるんだ。」
・・・・・だから何で今
そういう話をしなきゃいけないんだ。

「親父も今、暴れてるぞ~。 ふふふ」
「・・・・・・」
こいつは悪魔かと思いつつも、体がきついので
待合室に行って、長椅子をひとりで占領して寝た。


さあ、骨拾いである。
私は“人間”の骨を拾うのは初めてなのだ。
火葬場は寒い。 ますます具合が悪くなってきたのに
皆ちんたらちんたら拾っている。

イライラした私は、骨をザーーーーーッとかき集め
骨壷にバンバン投げ入れた。
これがまた小さい骨壷で
こんなんじゃ全部入らないと思った私は
骨壷を小脇に抱え込み、箸でガガッガガッと
渾身の力を込めて骨を砕いた。

「おい、何してるんだ」
たまりかねたように、元夫が私を制止した。
夢中になってた私は、その言葉でふと我にかえった。

回りを見ると親戚連中が
「ここんちの娘、また何かやってるよ」
みたいな呆れ顔で見ている。
「いや、全部入らないと思って・・・」
私は慌てて言い訳をした。
「全部入れないで良いんだよ」 「ええっ」


気まずい空気があたりに漂った。
場を和ませようと、兄が口を開いた。 

「係員さん、余った骨はどうするんですか?」
「保管所で供養いたします。」 係員が厳かに答える。
「でも、いっぱいになったら、どうするの?」 
「しかるべき所で処分させて
 いただくことになっております」

「それ、捨てるってこと?」 
「いえ、捨てるのとは、ちょっと」 係員が困り顔になった。
「ゴミになるの?」 「その・・・」 
「市の生ゴミ袋に詰めて出すのかな?」 「・・・・・」

兄のしつこさに、口を濁していた係員が
とうとう白状した。
「・・・人骨は産業廃棄物になります・・・」  
「何だ、やっぱりゴミじゃない。」
兄がしてやったりという顔で言った。 
係員も気の毒なことだ・・・。

「どうせ捨てられるんなら、全部詰めましょう」
兄がハツラツと指示を出した。
一応、喪主の長男の言う事である。
ましてや、あの兄の言葉には誰も逆らえず
全員、何かを吹っ切ったように骨を
木づち (そういうのがあったのね) で砕き始めた。

親戚がやっきになって骨を砕き、かき集めるのを
私は少し離れて見ていたが
ガッ、ゴゴッ、ザザーッ と、音も激しく
皆で頭をつき合わせて必死に詰める様子は
まるで死体をあさるハイエナのような
状況になってしまっていた。

通常通りしめやかに骨拾いをしている
3~4組の遺族が回りにいたが
うちの集団を何事かとビックリして見ているので
今更ながらとても恥ずかしかった。


確かに私は常識はずれだったかもしれないが
兄が助け舟を出すといつもロクな事にならない。
兄はパンパンに詰まった骨壷を抱えて
ひとりご満悦の様子であった。

さて、父はすべて納まったのであろうか。








布団

皆、どんな布団で寝てるんかなあ。

私は今、畳の部屋に薄いマットを敷いて
その上に敷布団掛け布団。
シンサレートっていう、
羽毛の2倍温かいという綿のやつ。

で、起きたら、マットは立てて
布団は、布団干しを部屋に置いて
それに掛けて湿気を取ってる。

ベランダがちょっと、布団を干せる環境じゃなくて
部屋の中で干してる風になってるんだ。
布団乾燥機、まだ買えてないよー。
なんだろうな、この段取りの悪さは。


こういう状況だからか
布団がせんべい並になっちゃってさ。

丸洗いできる布団だから
春と秋の年2回、コインランドリーで
ワシワシ洗ってるんだけど
一度しぼんだ布団は、元には戻らない・・・。

綿の打ち直しをするよりは
買い直した方が、コスパが良いので
買おうかな、と思ってはいるんだけど
今のところ、不便を感じないんだよね。
ただ、せんべい布団で寝ている、という
恥ずかしさ以外、支障がない。


これは買い直すべきなのかな?
それとも、破れたりしてから買うべき?

買うなら、またこのシンサレートに
しようと思っているんだ。
値段もかなり安かった記憶があるし。

ただ、買って数か月もしたら
さっさとしぼんだ記憶もあるんだよね。

こんなんで買い換えて良いのか
ものすげえ迷ってるんだよー。


皆、ほんとどんな寝具を使ってるんかな。
年を取ったら、寝起きがしやすいベッドが良い
ってよく聞くけど、私の場合
スペースと捨てにくさから、ベッドはなしなんだ。

外干しも、ベランダの都合でできないし
ふっくら布団を保つのは難しい。


・・・はっきり言うと
せんべい布団でも恥ずかしくない?
って訊きたいんだよな。

大丈夫、って言ってもらえたら
きっとこのまま、破れるまで
薄い布団を使い続けると思う。
堂々と。

買い換えるべき、と言われたら
ええー、でもだってー、とグジグジ言って
このまま迷いながら、せんべい布団に寝る。

結局、この迷いを取り除きたいだけなんだよな。
大丈夫、っていう意見以外聞きたくないんだ。
これぞ、誘い受け、って感じだな。


以前に、知人から布団の話を聞いたんだけど
羽毛布団って、3年経過すると
羽に付いてる虫の卵が孵化しちゃうって?
その知人はTV番組でその話を観たそうで
羽毛、絶対買わない! と、息巻いてたよ。

私がTVで観たのは、えーと
中途半端な温度で卵が孵化する、ってやつだった。
50度以上で干さないと、ヤバいんだってさ。

羽毛、不穏な噂が多いよな。
どれが本当の話なんだろうね。
うち、あるんだよね、夏用薄手の羽毛布団。
もちろん3年以上経ってるし
中途半端な温度にさらされてるよ。
うわ、孵化しちゃってる?


あと、今話題のレイコップ。
あれ、ダニ除去効果、薄いんだってよ。

普通の掃除機に専用ノズルを付けた方が良く吸うし
あんぐらいの紫外線じゃ、ダニ死なないってさ。

なのに何であんだけ話題になったか、っちゅうと
宣伝が上手かったからだそうな。
何か、がっくり。


こうなったら、布団貯金を始めようかな。
それが貯まったら、布団を買い換えるの。

うーん、破れたりするまで捨てられない気がするから
布団貯金が貯まったら、準備オッケー
って事にするか。

今の布団、もう10年ぐらい使ってるかも。
とうに買い換え時だよねえ。
でも、迷うんだよなあ。




私は寝相が悪いし、ゆったり寝たいので
ダブルサイズを愛用中。
ダブルサイズでも、3万円台だったような。
あったかさは保証!

 




ガーデニング

2003年の記事。
どうやら反社会的要素が強い内容のようなので
絶対に真似はしないでください。


私は土いじりが嫌いである。
何故かと言うと、土にはあらゆる生物が生息していて
それが恐いのである。

私も幼少の頃は、ミミズを虐殺したり
蟻の巣穴に親切のつもりで砂糖を詰め
大量殺戮をしたりと
子供として正しい成長過程を経てきたのだが
いつの間にかそれらが恐くなっていたのだ。

だから、結婚時代に家を建てる時も
庭をコンクリートで固めようと言い張った。
しかし、あえなくそれは却下され
砂利敷きで妥協せざるを得なかった。


砂利敷きといえども雑草は生える。

一度放っといたら、どこの秘境かと言うほどに
密林になってしまい
知り合いの家の裏庭の雑草を伸ばしっ放しにしてたら
ひからびた犬の死体が発見されたという話にも
ビビらされ、泣く泣く草むしりをしたもんだ。


毎年、草むしりに悩まされていたわけだが
いい物を見つけた。
一度まいたら、数ヶ月は草が生えないという
除草剤である。

しかし、それが高いのだ。
庭全体をカバーするのに、一回8千円ぐらいかかる。
それでも、草むしりの苦労を思うと
それを使用せざるをえなかった。


草むしりが何故つらいのかというと
南国熊本の蒸し暑い気候の中
日焼け止めを塗りたくり、麦わら帽子をかぶり
長袖を着、首にはタオルを "がってんだ" 巻きし、
ゴム手袋をはめ、サングラスをかけ
あんた、どこの何者? みたいな重装備で
地面を這いずり回って草を抜くつらさももちろんだが
私が庭で必死こいて作業をしてると
通りかかる人が声をかけてくるのだ。

んで、そこからくだらん天気の話題などを
相手せねばならなくなるのだが
おまえら、私の状況を見て、話しかけていいものか
判断ミスしてないかあ?
この私の大量の汗と息切れした姿が目に入らんのか?
しかも、見るからに異様なこの風貌を何も思わんのか?


この通りすがりの見知らぬ人との会話というのは
とても難しい。
多分ご近所さんだと思うのでムゲにも出来ないのに
大抵が、「暑いですね」 だの
「いい天気ですね」 だの
「見りゃわかる、それがどうした」
みたいな事を言ってくるのだ。

困り果てた私は実家に走り
こういう場合の答を習って、マニュアル化していた。
つまり、「いい天気ですね」 には
「洗濯物がよく乾きますね」。
「暑いですね」 には
「夕立がくれば少しは涼しくなるんでしょうけどね」。

同じヤツに同じ答を繰り返していた恐れはあるが
同じ事を何度も言うあんたが悪い、と、割り切った。

たまにマニュアルにない言葉をかけてくるヤツもいて
「フェイントかい!」 と、動揺するが
そういう時はお互いに運が悪いと諦めて
私のわけわからん返答を堪能してもらうしかない。


そういう社交行事もこなしてると
草むしりも一日じゃ終らず
ってか、そういう我慢大会みたいな格好で
炎天下に労働をするのは1時間が限度なので
この草むしり作業は数日にわたって行われるのだ。


こういう私の苦労を天は見ていたのか
ある日、福音がおとずれた。

冬の間、石油ファンヒーターを使っているのだが
その灯油のポンプ置きに溜まる灯油を庭に捨てていたら
その場所だけ雑草が枯れて
ハゲ山になっていたのだ。

「こ、これは・・・!」 と
何か、とてつもない大発見をした気分になった私は
試しに余った灯油を少量、庭にまいてみた。
次の日に庭を見たら、見事に雑草が枯れている。


すげえ!! と、感動した私は
バカ高い除草剤の代わりに、灯油をまくことにした。
土は死ぬだろうが、別に何を植えるわけでもなし
潔く往生してちょうだい、と、ばかりに
ポリタンクを抱え、おりゃあ、と
庭全体に灯油をバッシャバッシャまいて回ってたら
通りすがりのおじさんがビックリした顔で
「何をしてるんですかー!」 と、叫んだ。

よく考えてみたら、庭に灯油をまく女ってのも
ビジュアル的に恐いモノがある。
ちっ、夜中にすりゃ良かったか・・・と、後悔しつつ
「農家の人に聞いたんですが
 これが雑草駆除の安上がりな方法なんだそうですよー」
と頭の回転の遅い私にしては
もっともらしい口からでまかせを並べ立て
おじさんはそれを真に受けて
「へえー、それは便利ですね」
と、感心して去って行った。


帰宅した元夫にそれを笑い話のつもりで報告したら
「あそこの奥さんは庭に灯油をまく
 なんて評判がたったらみっともない!
 ちっとは世間体を考えて行動せい!」
と、しこたま怒られた。

ムッとして、実家の母親にそれを言って
草むしりの大変さを訴えようとしたら
自分は庭の手入れは業者に丸投げしてるくせに
「草むしりぐらい文句言わずにちゃんとやりなさい」
と、怒られ、翌日にゃ母親がチクったらしく
(こういう事を親戚に言うから
 私の評判は悪いんだよ!)
仲人の叔母が、私がまだ惰眠をむさぼってる早朝?に
電話を掛けてきて 
「庭に灯油をまいて火事になったらどうするの!」
というお小言を朝っぱらから延々とくらった。


三者三様の説教をくらって頭にきた私は
この世紀の大発見 (注:灯油で雑草が枯れる) を
潰されてなるものか、と
付き合いのあるガソリンスタンドの店長に聞いた。

灯油は揮発性が高く、まいてすぐ火をつけない限り
火災の心配はないらしい。
地下水汚染の心配も
よほど大量にまかないなら大丈夫だそうだ。

専門家のお墨付きを貰った私は
ようするに見られなきゃいいんだろ、と
その後もひそかにひと気のない時間を見計らい、庭にこっそり灯油をまき続けたのであった。


ちなみに、「草花のない家があるか!」
と、いう元夫の世間体GOGOな主張で、
家の北側に花壇があるのだが、何せ道沿いとはいえ
北側だもんで、植えても植えても
すべて呪われてるかのように枯れてしまい
いっそ何も植えない方がまだマシでないかい?
みたいなゴーストハウスな花壇になってしまった。

元夫が花壇の前で悩んでいたら、通りかかった警官が
「この家には人が住んでいたんですか?」
と、言わんでいい間の悪い事を言い
その言葉に大ショックを受けた元夫が
「おまえの育て方が悪いからだ」 と
育児だかガーデニングだかわからんような非難をしてくれ
それ以降、元夫は全滅しては植え替えるという
何かのジェノサイド実験のような
虚しい植物栽培を繰り返していた。


そんな北側でも、雑草だけは元気一杯で、やっぱりそういうヤツには灯油でもブッかけにゃあ!



 <2016年追記>
あの時の私の気持ちは、今でもよく覚えてる。
離婚した時に、二度と一軒家には住むまい
と、決心したさ。
念願叶って、今はマンション住まい。
庭がなくって、ほんとーーーにラク!

そういう切羽詰っていない今だからこそ言えるんだけど
灯油撒き、やっぱいかんわ。
事故の元だよ。

悪い子の皆、真似しないようにね。
良い子は注意しなくても大丈夫だろ。





ニベア クリームケア リップバーム

はちみつと無香料とあって、もちろん無香料のを購入。
あ、あれ? いくらだったかな。
ネットで調べたら、7gで430円ぐらいだった。

niveacremecare.jpg



見た目はワセリンみたいな
白濁の透明感のあるバーム状。

匂いは本当に無香。
やっぱ唇には無香料だよね。
はちみつの方を買うヤツの気が知れん。

塗り心地は、ちょいベタベタ。
ある程度、密着力もあるけど
これはヌラヌラタイプかな。

パッケージに、“朝晩塗ればオッケー” みたいな
商品説明が書いてあるんだけど
マジで朝晩2回で潤いが続く。
洗顔とかしても、ちょっとしっとりしてるんだよ。
これは凄い潤い力!

でも残念ながら、ヨレる。
ドッペリ塗っているのが原因だろうけど
私、リップクリームはグリグリ塗りたいんだよねえ。
大量に塗ってると、どのリップクリームでも
ベタベタは当然するんだけど
ナイアードはヨレないんだ。

んで、何となく唇が白っぽくなる。
ヨレると真っ白で見苦しい。
まあ、出掛ける時はティシューオフすりゃ
白いのもヨレるのも抑えられるんじゃないかな。

ただ、潤う割には唇が美しくないんだ。
ナイアードは唇の縦ジワをカバーして
プルプルウルウルになれるんだけど
これはどっちもない。
ヌラヌラして見えるだけ。
非常に惜しい製品だよ。


リップクリームは、2種類持っておくべき。
メインで使うジャータイプと
外で使うとか、手軽に使いたい時のスティックタイプ。

何故、ジャー推しかと言うと、使ってみればわかる。
ジャータイプを筆塗りした時の効果。
くちびるがプルプルになるんだよ。

このプルプル感を出そうとして作るから
スティックタイプはヌラヌラ仕上げになるんだと思う。

そんで、長い目で見てもリップケアは
リップクリームをリップブラシで塗るのが
一番刺激がなく、唇に良いと断言しよう。
とりつくろいようのない顔パーツで
唯一、人様から褒められるのが唇だからこそ。

リップブラシはメイク用のを使うんだけど
メイクと兼用しちゃダメだぞ。
リップクリーム専用にしてな。

面倒くささを軽減するためにも
ワンタッチでブラシが出せるタイプのものを
血眼になって探すべし。
探せばある。 少ないけど。
メーカーさん、ワンタッチブラシ、ほんと作って!


ここんとこ、試すリップ試すリップ良くて
最近のリップクリームの進化には
大喜びしてるんだけど
私の超・定番、ナイアードのと比べてどうかと言うと
ナイアードには大きな欠点が3つある。

・ 入手が安定しない
・ 製品劣化がひんぱんにある
・ 匂いが臭い
この大きな3欠点をもってしても
ナイアード以上のが、まだ出てこない。

ナイアードの何がそんなに良いのか?
それは密着力とベタつきの兼ね合い。
凄い密着力と潤いの割に、ベタベタしないんだ。
ヨレないし。
これを超えるリップクリームは
今んとこ、出てきてない。
キュレルが良い線いってるけどな。

まあ、このニベアのは、ナイアードの代打になれる。
ナイアードがない時に使いたい。
ぜひ、定番化してほしいな。




愛しのナイアード。
使用期限も明記されるようになって
意外にも気を遣ってるんだね。
フタがキッチキチで開けにくいのもご愛嬌かな。
手作り感満載の製品だよ。


 
こっちも愛しいあんだんて。
シャンプーをひんぱんに替えていた頃は
頭皮が痒くなる等のトラブルもあったけど
あんだんてを使いだして
そういう事はすっかり忘れてるわ。
何気に優秀なんかもな。




花嫁は大腿四頭筋が命!

2004年の記事。


太ももの大腿四頭筋だけではない。
当然、ふくらはぎの下腿何たら筋も重要なのだが
そんな解説はどうでもいい。

“ゴールイン” と称される結婚式。 
だが、その準備がどんなに過酷なものかを
後世に語り継ぎたい。
今回はその中でも、私的に特に辛かった衣装選びと
写真撮影の話である。


元々、結婚式など挙げたくなかったも私だが
周囲の期待に水を注すとどういう非難がくるのか
今までの人生でよおく理解しているので
逆らわずに健気に奮闘努力をしていた。
ウエディングドレスのショーにも行かされて
いよいよ衣装選びの日である。

私はその夜、風邪でリンパ腺を腫らして
高熱を出していた。
が、行かないわけにはいかない。
彼 (新郎) だけじゃなく、母、母の妹、兄、
義母、義妹まで来るのだ。
皆、人の衣装選びの何にそんなに興味があるんだろう?

会場には他の新婦予定の娘さん達も大勢来ていた。
皆、付き添いが大勢いる。
ビデオやカメラも持参していて
一種の祭り状態にも見える。
私は当然、カメラなど思いつきもしなかったが
義妹が持ってきてくれていた。


私の担当の年季の入ったおねえさんが
「まず、ウエディングドレスですね、どれにします?」
と白いウエディングドレスのコーナーに連れて行き
私に聞く。
何十着も掛けられているドレスを見て
それだけでリンパが更に数箇所腫れた気がした。

周囲はキャアキャアとはしゃぎながら
あれこれ選んでいる。
「・・・よくわかりません・・・」 と、答えると
横から母が 「一生に一度の事だから
 ちゃんと選びなさい」 と怒る。

普段に着るものじゃなし
どういう基準で選べと言うんだ・・・
と、途方に暮れていると
「じゃあ、新作のこれにしましょう」 と
担当さんが掛けてあった一着を抱えて
着替え室に誘導してくれた。


着替え室も広い。
風邪を引いてなくても下着のまま待たされるのは寒い。
見てると担当さんの他に着付け専門の人が来て
ふたりでドレスをドーナツ状の輪っかに置いている。
「ここに飛び込んでください」 と、言われ
「はあ?」 と、驚く。

つまり、ドレスを踏まないように中央の穴に入って
しゃがんで袖を通して着るらしいのだ。
何でこういう格好でそんな間抜けな事を
せにゃならんのだ、これは恥辱プレイなのか?
と、悲しくなったが言われたとおりにドレスの真ん中に
「おりゃあ」 と、飛び込み
体育座りをして背中の膨大な数のホックを留めてもらう。

「さあ、できました、立ってみてください」
と、言われ立とうとした。
・・・が、立てないのだ!

例えて言えば、泳いでて岸に上がろうとしたら
腰に水死体が沢山群がってきて
水中に引きずり込もうとしてるみたいな感じなのだ。

「どうしました?」 「あの、立てないんですが」
「ああ、20kgありますから重いんですよ」
なるほど、通りで上からかぶって着れないわけだ。

加えて風邪でフラフラの体だ
20kgどころか2tぐらいの重さに感じる。
「ウエディングドレスは以前はもっと
 重かったんですよー、頑張って」 と言われ
マジで頑張って立った。

「でも、あなたは靴で調整しなくていいからラクですよ
 丈だけは補正できませんからね」 と言われ
周囲を見ると高さ20cmはある
厚底のハイヒールを履かされている人もいた。
あの靴でこの重いドレスを着て披露宴会場を
練り歩くんかい、と、心底驚愕した。

花魁ってのも、お披露目では
厚底ぽっくりに着物で練り歩いていたが
それでいかにも涼しげに歩くってのは
女の意地の張り所ってもんで
結婚式もそれに通じるものがあるんだろうか、などと
どうでもいい事を考えて、遠い世界に逃避していたが
私にはペタンコのローヒールを渡され、ホッとした。


準備ができ、皆が待つ場所へ移動だ。
とにかく重い! のひとことだが、歩かねばならない。
頑張れ、私!
「うりゃあ!」 と、気合を入れても
自然に前かがみになってしまい
ズリッズリッとドレスを引きずる。

周囲の娘さん方が厚底でガッコンガッコンいわせつつも
普通に歩いているのに
“世界の超人” とかの番組で
トラックを腰で引くマッチョ男のような格好で
歩いて来た私を見て
付き添いの皆が目を丸くして注目し
叔母が 「何やってるの」 と、怪訝そうに聞く。

「いや、異様に重くて・・・」 と、言うと
母が 「まったく、この娘は情けない」 と嘆く。
「お嬢さまは痩せてらっしゃるから、力も弱いんですよ」
と、担当さんが見事なフォローをしてくれる。
「かなり脇も詰めなくちゃいけませんしねえ
 他のにしてみます?」

「とにかくレースが重いんで
 それが少ないのにしましょうね」
担当さん、すまん、面倒かけて、と、心の中で拝みつつ
レースまったくなしの
ストレートなラインのドレスを選んだ。
「それ、老けて見えるわよ、やめなさい」
叔母が容赦ない感想を述べ反対した。
この手の女っぽいドレスなんて
どうせ何を着ても似合わないんだから
せめてラクな方向へ走りたいんだよおー。

「このドレスはお嬢さまのように
 スタイルが良い人にしかお勧めしませんのよ」
の担当さんの上手いひとことに
母は単純に気を良くして
「そうね、それでいいんじゃないの」 と、賛成した。
担当さん、さすが!!
私にはあなたの背後に後光が射して見えますうーーー。


あ、ところどころに自慢ともとれるセリフが
入っているけど、私は本当に
胸がデカいスレンダーナイスボディーなので
自慢と取ってもらって、なんら差し支えない。


次は着物である。
私は成人式の経験で着物だけは着たくないと訴えたが
それは羽毛よりも軽くあっさりと却下された。

とにかく私は必死で目の前に並べられた何枚もの着物を
いちいち持ち上げるという
妙な選び方をして一番軽いやつを選んだ。

重さで選んだとバレて、また罵倒されたくないので
「この柄がいい」 と、言い張る。
担当さんはそんな私の心を見抜いているようで
「こっちの方が良いんじゃないの?」 とか
よりによってえらく重い着物を選ぶ皆に
「皆さま、この中で一番高いのは
 どれかおわかりですか?」 と、たずねた。

着物は母の得意分野だが
さすがに打ち掛けはわかりにくいようだ。
「一番お高いのはこれなんですよ
 そしてお嬢さまが選んだのが2番目。
 お目が高いですねえ」
またもや担当さんの絶妙なフォローで決まる。
それにしても、こんなお世辞を真に受けて
ホイホイ喜ぶうちの母親は・・・。


最後がお色直しの時に着るカクテルドレスである。
「あら? 一回しかお色直しをなさらないんですか?」 と、担当さんが確認する。
「ええ、何度も着替えるのも
 やり過ぎじゃないかと思って」 と、答える。
実はヒラヒラのドレスを着て
スポットライトに照らされるのは
こっ恥ずかしくてたまらんのだ。

「あのお色直しには意味があるんですよ。
 新婦さんのトイレタイムや休憩になるわけですから。
 途中で主役が席を立つわけにはいきませんでしょう?」
と、担当さんが忠告をすると
「この娘なら平気で席を立つわよ」
と、母がいらん予言をした。

その途端、叔母がキッとこっちを振り向き
「そういうことは絶対にやめなさいよ
 私が付き添いなんだからね!」 と、釘を刺す。
「私が仲人をしてきた新婦に
 そういう娘はいなかったわよ
 ちゃんとジッっと座ってなさいよ!
 飲み食いもしちゃダメよ」
と、まだしてもいないのに
絶対にしそうな事の予測をたてて延々と説教された。
叔母は仲人慣れをしているので今回も頼んだのだが
やっぱり身内は見抜いて厳しいと後悔した。


わけのわからんドレスを着せられてる私に
担当さんが話しかける。
「新婦さんっていうのはストレスが大変ですからね
 頑張ってくださいね」
どうやら私のテンションがとてつもなく低いのは
マリッジブルーのせいだと思っているらしい。
通りで優しいわけだ。 

それに着付けで触れる私の肌が熱いのにも
気付いているらしく、何かと励ましてくれる。
「よくいらっしゃるんですよ
 余りの大変さに精神的に追い詰められる新婦さんとか。
 周囲の方々はめでたいだけですが
 準備をする側は忙しいですもんね。
 さあ、カクテルドレスはまだ軽いですから
 何着か着てお母様方に見せてあげましょうね。」

・・・良い人だなあ・・・。
ごめんね、面倒だなんて思って。
あしゅ、頑張っちゃう!


・・・・・と、いう私の珍しく殊勝な決心は案の定
5分も長続きせず、鏡の前で粉々に砕け散った。
どれを着ても似合わないのだ!
誰ひとり何のフォローもできないほどに!

ただひとり担当さんだけが
「きちんと髪を作ってメイクをすれば大丈夫ですよ」
と、言うが、それは似合ってないと
念押しをしてるも同然である。

やっぱりその人の持つ雰囲気によって
絶対に似合わないジャンルってあるんだな、と痛感した。
以前からヒラヒラふわふわのメルヘンな服は
似合わなかったのだ。
ドレスってのはメルヘンの権化だし
もう違法か? というほどの
モザイクレベルな見苦しさである。

こんな格好で人前に踊り出て
ろうそくに放火して回らにゃならんのかよ・・・。
(キャンドルサービスもやめよう、という私の意見は
 フロンガスよりも軽く聞き流された。
 オゾンよ、思う存分に壊れるがいい!
 まあ、“ゴンドラに乗って登場” がないだけでも
 号泣してありがたがるべきか・・・)


5~6着着替える頃には、もう何だろうが
どうでもいいやという気分になっていた。
付き添いの女性陣は元気ハツラツだが
彼はうんざりしている。
マジでテキトーそのもので一着選んで
彼の衣装選びに移ろうと提案した。

さて、彼の番だが、私の時には
必死の形相でチェックしていた女性陣も
男はどーでもいいといった様子で
手の平かえしすぎである。

しかも彼も何を着ても似合わない。
いかにも借り物といった感じなのだ。
胸元フリルのシャツを着て出て来た時には、思わず
「鳩ポッポかい・・・」 と、つぶやいたら
「あなた、人の事を言えるの!」 と、母に怒られた。
ひでえ・・・・・。
それ、どっちにとってもシャレにならんだろうがあ。


しかし、どうしてこうふたり揃って
コメントに困る着せ替えをさせられにゃならんのやら。
結婚式ってのは一種の自虐行為でもあるんだろうか?
特に私は日ごろ何を着ても似合うと自負していたのが
木っ端微塵のズタボロである。

帰り道に彼が車の中で
「結婚式ってのは女のためのものだよなあ」
と、つぶやいた。
私はあんたがするって言い張るからするんだが・・・
と思ったが、波風を立てないように黙っておいた。
翌日、私は足の筋肉痛に苦しんだ。
(これを言いたいがためのタイトルだったのだw)


さて、お次は選んだ衣装を着て写真撮影である。
なんせ真冬の真っ只中だもんで
その時も私は性懲りもなく風邪を引いているていたらく。

まずはメイクである。
これが凄かった。
厚塗りも厚塗り、塗装かい、と言うほどであった。

その時の私は化粧にも凝っていた時期なので
ヒヤヒヤさせられたが
そんな私の不安そうな表情を見てもメイクさんは動じず
「着る衣装に合わせてお化粧の厚さを変えないと
 衣装に負けてしまいますからね」
と、塗るわ重ねるわ。


2時間ぐらいかけてメイクが終わった時には
私はグッタリしていた。
そして着付け。 

「ほんのちょっとの時間ですから」
と、バスタオルを何重にも巻かれ
ギュウギュウ締め付ける。

彼と撮影所に行く途中に話し掛けられ
返事をしたら胃液が上がってきて
思わずゲロを吐きそうになった。

「おまえ、吐くなよーーーーーっ」 と、彼が慌てる。
こんなことで式をとどこおりなく
終えられるんだろうかと不安になる。


撮影中にカメラマンが
「笑ってください」 と、何度も言う。
え? 私、目一杯笑ってるだろうが!
これ以上、どうしろと?

「あ、歯を見せないで」 「目が笑ってない」
「もっと幸せそうに」
「ロイヤルスマイルってあるでしょ、あのように」
すんません、私、皇族でもないし
今あんまり動くとゲロりそうで
不幸のどん底なんですが・・・。


益々笑いが引きつる私を見かねて彼が
「すいません、こいつ元々愛想が悪い上に
 体調を崩してるんです」 と、かばってくれる。

・・・って、私が愛想が悪いとな!
おめえ、私にそういう感想を持ってたんかい
と突っ込みたかったが、とりあえず今は微笑むしかない。

カメラマンも急に
「ああ・・・、新婦さんは大変だからねえ。」
と、同情してくれ、それからの撮影は
テキトーをごまかしつつ、なあなあで進められた。
この後、私は数日寝込んだ。


後日、できあがった写真を見て
無神経な彼もさすがに言いにくそうに
「おまえ、ひどいな・・・」
と、ひとことだけ感想を述べた。

見ると、あの時は必死で笑顔をつくってたつもりだが
悪鬼のような顔で写っている。

成人式の時の写真を思い出し
この写真も親族一同に配られるんだろうか、と
恐怖に感じたが、実家の納戸に入れられてるのを
発見した時には、恥を配布されなくて良かった
という安堵よりも、虚無感がこみあげてきたものだった。


式の準備に関わる人は皆、口を揃えて
「新婦さんは大変だから」 と、言い
少々の事は大目に見てくれる。

私はマリッジブルーにはならなかったが
そういう人も多いようだ。
点滴を受けながら式に出ただの
倒れて救急車で運ばれただのの話をよく聞かされた。

私達が式場に選んだのはホテルだったが
色んな逸話が残っていた。
まさか私が新たな伝説をつくる羽目になるとは
夢にも思っていなかった。

この話はいまだにうちでは禁句になっていて
マジで書きたくないのだが
普通はできない珍しい体験なので迷うところだ。
・・・さて・・・、ヒトのココロを捨て去って
ネタにする踏ん切りがつくのか? 私・・・。


(2016年追記)

ちゃっちゃというと、式を何と
当日キャンセルしちゃったんだな。

そっから3か月間、寝込んだよ。
新婚生活は初日からむっちゃくちゃになったさ。
ほんと使えねえな、私。


でも、こんだけ大勢の人に
親切にしてもらったのは
この時が生涯で最初で最後だと思う。

皆、本当に優しく、腫れ物に触るように接してくれて
花嫁さんって皆大変なんだろうな、と改めて思うよ。
一生一度の晴れ舞台だもんな。
何かあったら、死ぬまで悔いるだろうしな。

はは・・・。





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