天使か悪魔か

リアルババアあしゅのいらん事言いブログです。 昔の記事は http://maho.lomo.jp/nashural/ に。

映画のお話 5

     ビロウ      
 03.9.30 

呪われた潜水艦という題材のオカルトだと思ったら
これが意外な秀作だった。

第二次世界大戦の最中に軍港へ戻る途中の潜水艦が
3人のイギリス人を救助する。
そのうち、ひとりは女だった。
が、これが女だという事に余り意味はない。

この潜水艦は数々のトラブルに見舞われるのだが
潜水艦という舞台を見事に活かした
閉塞感あふれる不愉快さが見所。

話の筋もきちんとしていて無駄もない。
欲を言うなら、出てくる霊がチャチい部類に入る。

その霊も乗組員の幻覚だったのかもしれない
と思わせる結果を匂わせ
これはオカルトじゃなくて
一種の心理パニック映画なのかも。
オカルト初心者にお勧めしたい映画である。


私が戦争映画で特に好きなのが潜水艦ものである。
閉ざされた空間で繰り広げられる戦いは
緊迫感がヒシヒシと伝わってくる。

壁一枚隔てた向こうは暗い深海が広がっており
まさに生と死の境目。
まわり全部が敵となるこの状況で
武骨な男たちが、繊細に音を拾い、深度を計り
艦と一体となって戦う。

戦争の悲惨さと緻密さが融和されて
見事な映画に仕上がっている作品が多い。

私が戦争ものを勧めるなら、潜水艦映画を一番に挙げる。
「Uボート」 「レッドオクトーバーを追え」
「クリムゾン・タイド」 ぜひ観てみて。



   ボーリング・フォー・コロンバイン   
 03.10.11 

マイケル・ムーアが銃乱射事件を軸に
アメリカの問題を掘り下げるドキュメンタリー映画。
ムーアはこの中で、アメリカ国民は
ニュースで恐怖を植え付けられると結論付けている。
そのせいで国民は自衛に必死こくのではないか、と。


私が思うにアメリカ政府はとても上手くやっている。
歴史の浅い多民族国家をまとめ上げるには
国民全員の共通の敵を作るのが手っ取り早い。
ソ連が崩壊した時に
「あらら、次の敵はどうするんだ?」
と、興味深く見ていたらイラクになった。

実に見事な選択である。
アメリカから遠く離れた異宗教・異民族の国。
私はアメリカの対イラク政策を
そういう目で観察していた。


この映画を観る限り、アメリカ政府は
政治レベルだけじゃなく、国民の生活レベルでも
同じ方法を取っているようである。
あれが危ない、これが危ないと
TVでは警鐘を鳴らし続ける。
誰でも不安に駆られる。


国民をまとめるのに最適なのは恐怖である。
だがそれが独裁政治による恐怖ではまずい。
自由の国の国民には選択の自由がある。
そこで国民に選ばせる。

私にはそれがYESかNOかの選択には見えないのだ。
「どのYESを選ぶ?」

国民は自分があたかも
選択の自由を与えられてるかのように錯覚して
多くのYESの中から “自由に” 選ぶ。
その中にNOが存在しないという事に気付かずに。

なんて見事な政策!


マイケル・ムーアは自分が信じる正義に
ヒューマニズムを絡めて語りかける。
コロンバイン高校銃乱射事件の犠牲者を連れて
スーパーに行き、銃弾を売るのをやめさせ
全米ライフル協会会長の
チャールトン・ヘストンの家に行き
撃たれて死んだ少女の写真を置いてくる。

確かにそういう意見を叫ぶヤツもいなければならない。 必要だと思う。
ただ、その迷いのなさが気持ち悪い。

アメリカ自身にも迷いが見られない。
そういう強さが国家維持には必要なのかもしれない。
そうやって己の信じるとこに従って
誰も彼もが突き進んでいくのだろうか。

・・・だが、迷いのないものには変化は、進化はない。



     処刑軍団ザップ       
 03.12.5 

レンタルビデオ屋の “ホラー” の棚に
見慣れないタイトルのこの映画があった。
解説を読むと実際に起きた事件の映画化とある。
とりあえずホラーなら、と借りた。

だが本編前の予告を観てて不安になる。
「エンジェル何たら ヘア無修正版」
「愛の何たら ヘア無修正版」
3本の予告があったが、そのタイトル2本に
“ヘア無修正版” がついてるのだ。
ナレーターが 「ヘア無修正」 「ヘア無修正」 と
マジメに大声で連呼している。

予告というのはその本編を選んだ人の
好みのジャンルを流す事が多い。
ホラー映画に入ってる予告はホラーが多いのだ。
それが何故 「ヘア無修正版」 ・・・?

3本目は 「ワンスアポンナタイムインチャイナ」
だったんで
「これもヘア無修正版なんかーーーーーっ!」
と、ビビったが、これにはついてなかった。
ホッ・・・。


さて、本編の始まりである。
えらく古い映画だ。
70年代じゃないのか?
いきなりインディアン風の男性が
ヘア無修正な真っ裸で出てきて
なかなか萎えさせてくれる。

この無修正野郎をリーダーとする
悪魔崇拝のヒッピーグループが田舎町に流れてきて
好き勝手に暴れるという予定のはずが
ヒッピーたちはちゃんと金を払ってパンを買ったりと
言うほどは好き勝手にはしてないのだが
じいさんにちょっと暴力を振るったせいで
そのじいさんの孫の少年に
仕返しに狂犬病の血入りミートパイを食わされて
狂犬病になり、それが町の人にも感染して
町中大パニックというストーリーで
よく掘り下げてみれば諸悪の根源はヒッピーじゃなく
この少年だという話のような気がする。


まあ少なくともホラーじゃない事だけはわかった。
いや、ある意味、この少年の度を越した仕返しと
これはすべて自分のせいだという自覚のなさがホラーか?

しかし、泡を吹きながら殺しまわり
暴れまわる狂犬病に感染した人々を見てると
スプラッタなのかグロなのかわからん汚らしさで
物を食いながらは観れん映画である。

私がレンタルビデオ屋の店員なら
これを持ってカウンターに来た人を見たら
つい、プッと吹き出してしまいそうだ。
・・・いや、親切心を発揮して制止するかな。






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