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天使か悪魔か

リアルババアあしゅのいらん事言いブログです。 昔の記事は http://maho.lomo.jp/nashural/ に。

映画のお話 8

       ドッグヴィル    
   04.7.25 

この映画の舞台はアメリカの山奥の村、ドックヴィル。
とはいっても、平らな地面に白線を引き
各家の簡単な間取りを書いただけ。
セットには壁すらないのだ。
背景も真っ暗。 照明のみで昼夜を表現している。
俳優たちは、ドアを開け閉めするパントマイムを
強いられる。


まるで小説のような映画だ。
観てる人には、それぞれの独自のドックヴィルの小道や
山々、リンゴ農園が脳裏に浮かんでいることだろう。
盲目のおやじが語る、世界各地の光の輝き方の違いの話が
ドックヴィルの世界の見方を巧みに誘導させてくれる。

ただのオレンジの照明が、山合いに沈む夕日に見えてきて
きっと明日も良い天気なんだろうなと感じる。
自然に囲まれた村の美しさを空想させられて
うっとりと心が和む。


が、この監督はそういうヤツではない。
私の “観なきゃよかった” 映画NO.1に輝く
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」 の監督らしいのだ。
すんげえ後味が悪い映画だという事は覚悟していた。

話はこの村にギャングに追われた女性が逃げ込み
村人が匿うことから始まる。
この女性をニコール・キッドマンが演じているのだ。

彼女は匿ってもらおうと
頑なな村人たちのお手伝いをしたいと申し出る。
村人たちは仕事はないと断るが、彼女が提案したのは
「しなくてもいいけど、したらいいこと」
をさせてくれ、だった。
それならと、村人は彼女に仕事を頼み
彼女は村人につくす。


最初の頃は、すべてが上手く回っていた。
村人たちと彼女は心が通じ合ったかのように見えた。
ところが、村人たちは徐々に
彼女の献身に対して増長し始めるのだ。

彼女を奴隷のようにこき使い
ギャングに通報すると脅しレイプする。
彼女はすべてを受け入れ許し、村人たちを哀れむのだ。
「私がここに生まれ育ったら
 きっと私も同じ事をしていた」 ってね。


結局、村人たちは自分のやった事の責任を取る。
だが、ここで考えさせられるのは
村人たちをそうさせたのは彼女の責任でもあるという事。
相手を許すだけの自己犠牲は
自分の自己満足は得られても相手を成長させない。

この映画は、人との付き合い方を
実に嫌な例を出して問題提起している。
キーワードは “傲慢” 。
すべての人間が持つこの性質と
どう折り合いを付け合って、他人と交流していくか。

私に言わせりゃ、登場人物は全員、有罪。
村人たちはもちろん、彼女も間違っている。
村人たちに自分の罪を理解させる事を怠っている。
もう、あっちからこっちへと極端に走りすぎ。

できない我慢をするヤツって
結局、最後にはブチ切れて余計に手に負えないんだよな。
最初から怒りを小出しにして
地道に現状を変えていくべきだろう。

通気をよくしないと空気はよどむ。
自分の中に溜まる感情が腐っていくのだ。
息抜きってのは、そういう意味を含んでいるんだろ。

これ、何と3時間近い長編映画なのだ。
後味の悪さで酷評をくらったこの映画だが
観終わって私はすっきりしたぞ。
あらゆる問題点が明確に見えるから。

今年観た真面目な映画部門のNO.1だ。
私の今まで観た映画の中でもトップクラスに入れたい。
撮影手法も話も、むっちゃ評価する。
DVDも買おうかな、ってのが私の最高の賛辞。

私を信じて観てみるか? ふっふっふ。



     609   
   04.10.17

借りてから気付いたが
これは多分、タイの映画だと思う。
もう、こんな映画は、私以外に絶対に観ないと
腹の底から断言できるので
ネタモロバレの解説をかましちゃる。


プロローグは、主人公の男の子が
女の子をおとせるかどうか、友人と賭けをして
ナンパをして女の子を引っ掛け、ベッドインする。

ところが、その子が妊娠しちゃったんで
結婚の約束をして、子供を堕ろさせて
イギリス留学をしちゃうという
全体の流れで行くと
陰気臭いベタベタなラブストーリーから
「もう、いいから」 と言いたくなる
しつこいベッドシーンでアダルトになり
次は泥沼恋愛話へと変わる
「あれ?これ、中身を間違って借りちゃった?」
という展開だった。

いやあ、ここまでも長く感じたが
これのあと5倍ぐらいの長さが待ってることは
予想しませんでした。


この映画が凄いのは、ここからだ。
捨てられたその女の子が、堕胎のせいで出血多量で
アパートでひとり死んじゃうのだ。
そういう女の子が化けて出るのは世の常なのだが
この映画はここから何故か、コメディになってしまう。

警察はビビって死体を置いて逃げ帰り
あとは放置の職務放棄。
次々に霊能者がお祓いに来ては、ずっこけて逃げ帰る。
住人達もキャアキャア逃げ惑うのだが
「あんたら、本気で恐いわけ?」
みたいな、ドタバタ喜劇なのだ。


何より圧巻なのが、この女の子の霊。
毎晩毎晩、近所中に響くほどに絶叫し
アパート中血まみれにし、どこでも自由自在に出入りし
ここまで、やりたい放題する霊は初めて見た。
こんなに芸があるなら
お化け屋敷として大儲けできるじゃんー。

この映画はまだまだこれから。
大木凡人にそっくりの神父が出てきて
『エクソシスト』 のパクリ、マジでパクリ!
に、なる。
でも緑の液は夜店で売ってるスライム!


そうこうやってる内に、住人達は全員アパートを引越し
田中真紀子そっくりの大家さんだけになる。
この大家さん、押しの強さもしぶとさも田中真紀子級で
最後まで諦めない。
顔が似ると性格も同じになるのか?

で、女の子を捨てた男の子が
心を入れ替えて謝りにくる。
のこのこと。 おめおめと。
この男の子が出てこなければ
話は終わってただろうに・・・。

ここから 『牡丹灯籠』 の世界になる。
男の子は女の子が死んだと気付かず
一緒に暮らし始めるのだ。
さすがの私も、もうここらあたりから
「もう終わってくれんかなあ」
と、呪文を唱える心境になる。


が、タイはまだまだくじけません。
この男の子、性懲りもなく
近所の飯屋の店員の女性と浮気をしちゃうのだ。
こっから 『ミザリー』 が始まる。
怒った女の子は、男の子が逃げないように
足を切り落とす。

そこへ大家の真紀子が呼んだ霊能者がきて
『霊幻導師』 のような除霊をするが
こいつら、霊能力はあるが、知力が不自由してるようで
お札を貼った死体を、仕留めた熊並みの扱いなのか
無神経にもトラックの荷台で運ぶもんで
そりゃ、風でお札が飛ぶのは当たり前っちゅうの!

その間に、浮気相手の女性が
男の子の実家に電話をしたら
その男の子は実は死んでたという話になり
要するに、男の子も霊になって
女の子のとこに戻ってきたんだな。
ここは 『雨月物語』 ね。

大自然の力 (単なる風) で
復活した女の子霊はアパートに戻り
「許してください、もうしません」 と、言う男の子と
ふたり仲良く暮らしましたとさ。
めでたしめでたし、はあ、やれやれ。


しかし、男の子さあ、足ぐらい生やせや、霊なんだから。
てか、おめえ、霊になってるのに
何で飯を食いに行くんだよ。

タイは自殺オッケー
まずい事になっちゃったら死んでやり直そうYO!
という宗教観だと聞いたが
霊がいるんなら、それ、根底から覆らんかあ?

この手のブッ飛んだ映画は、基本的に大好きなのだが
この映画は何故か好感を持てなかった・・・。
よくある話のつぎはぎだからだろうな。

あっっっ!! これ、パロディ映画だったんか???



コメント

ドッグヴィルは世界バッドエンディング映画トップランキングに必ず出てきますねー。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ミスト」「チェンジリング」「冷たい熱帯魚」「セブン」等トップランキングの中でそれはまだ見てないです。
若い頃は人の裏の一面に興味深々な世間知らずのアホウな私でしたが、多少色んな荒波を嗜んだ50代の今人の表の顔しか知りたくないです。
だからドッグヴィルは自分が調子に乗ってる時に見たいです。
今はストレスだらけなのでツタヤでビッグバンセオリーをかりて見てます。
アメリカの理系変態オタクコメディードラマだけど、じわじわ来てはまりました。
頭を空っぽにしたいときにお勧めです。

  • 2018/04/18(水) 13:29:19 |
  • URL |
  • スパニエル #-
  • [ 編集 ]

スパニエルちゃん
ドッグヴィルは途中が欝だったよ。
だから終わりは、ざまあ、だった。
ダンサーインザダークやミストなんかの
欝エンドには到底及ばないよ。
でも、気力がある時向けだな。
胸くそ悪い話だし。

同感。
本音なんて知りたくもない。
お世辞でも良いから
綺麗事で終わらせたい。
真っ直ぐな若い頃は、それが許せなかったけど
年を取ると、色々あるしね
で、スルーできるようになる。
ラクな生き方ができるようになったと思う。

ビッグバンセオリー
私もコメディー不足なんで、興味ある!
笑える映画って、何気に少ない気がするなあ。

  • 2018/04/18(水) 14:50:06 |
  • URL |
  • あしゅ #-
  • [ 編集 ]

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